足の親指が痛い、爪の端が食い込んで歩くのが辛い。そんな巻き爪の悩みを抱えている方は少なくありません。実は巻き爪は単なる爪の切り方の問題だけではなく、さまざまな要因が複雑に絡み合って発症します。多くの人が気づいていない意外な原因を知ることで、適切な対策が見えてきます。今回は巻き爪を引き起こす本当の原因について、詳しく解説していきます。
靴選びが巻き爪を招く重大要因

巻き爪の原因として最も見落とされがちなのが、毎日履いている靴の影響です。特に先の細いパンプスやヒールの高い靴は、足の指先を圧迫し続けることで爪に過度な負担をかけます。爪は本来、下からの適度な圧力によって平らな形状を保っていますが、横からの圧迫が続くと次第に丸まっていくのです。
また、サイズが合わない靴も問題です。大きすぎる靴は足が前に滑り、指先が靴の先端に当たり続けます。逆に小さすぎる靴は常に指を圧迫した状態になります。スポーツシューズでも油断は禁物です。ランニングやサッカーなどで急停止や方向転換を繰り返すと、指先に強い衝撃が加わり、爪の変形を促進させてしまいます。
さらに、同じ靴を長時間履き続ける習慣も危険です。立ち仕事や営業職など、一日中同じ靴で過ごす人は、足への負担が蓄積しやすくなります。靴の中で足が蒸れると爪が柔らかくなり、変形しやすい状態になることも忘れてはいけません。
特に女性の方はハイヒールなど足に負担のかかる靴を履く人が多いと思いますので、特に注意が必要です。ハイヒールでなくても、つま先の細い靴などは足の指や爪に常に圧がかかってしまうため、トラブルの原因になりやすくなります。
歩き方と姿勢の乱れが爪を歪ませる
意外に思われるかもしれませんが、歩き方や立ち方の癖も巻き爪の重要な原因となります。正しい歩行では足の指全体で地面をしっかりと踏みしめますが、現代人の多くは指を使わずに歩いています。特に浮き指と呼ばれる状態では、足の指が地面に接地せず、爪に正常な圧力がかかりません。爪は適度な圧力を受けることで平らな形を維持するため、圧力不足は変形の原因になるのです。
また、猫背や骨盤の歪みなどの姿勢の問題は、体重のかかり方を偏らせます。特定の指だけに負担が集中すると、その部分の爪が巻きやすくなります。札幌で巻き爪を改善する専門家も、姿勢や歩行の見直しを重視しています。
日常生活での何気ない動作が、実は巻き爪を作り出している可能性があることを認識する必要があります。さらに、運動不足による足の筋力低下も見逃せない要因です。足の筋肉が衰えると、正しい歩行が困難になり、爪への負担が不均等になってしまいます。デスクワークが中心の生活では、足の筋肉を使う機会が減り、知らず知らずのうちに巻き爪のリスクが高まっているのです。
爪の切り方と体質的要因の影響

多くの人が知っている巻き爪の原因といえば、深爪でしょう。しかし問題は深爪だけではありません。爪の両端を斜めに切り込む「バイアスカット」も巻き爪を悪化させます。爪は本来、両端が少し伸びていることで皮膚に食い込むのを防いでいます。
両端を短く切りすぎると、爪の横の部分が支えを失い、内側に巻き込みやすくなるのです。さらに、遺伝的な体質も見逃せません。生まれつき爪が薄い人や、爪の湾曲が強い人は巻き爪になりやすい傾向があります。また、加齢による爪の水分量の減少も、爪を硬く厚くさせ、変形しやすい状態を作ります。
糖尿病などの疾患による血行不良も、爪の成長に影響を与え、巻き爪のリスクを高めます。これらの体質的要因がある場合は、特に日常的なケアが重要になります。妊娠中や出産後のホルモンバランスの変化も、爪の質を変えることがあります。体重増加による足への負担増加と相まって、妊娠期は巻き爪が発症しやすい時期といえるでしょう。栄養不足、特にタンパク質やビタミン、ミネラルの不足も爪を脆くし、変形しやすくします。
まとめ
巻き爪の原因は、爪の切り方だけでなく、靴選び、歩き方、姿勢、そして体質的な要因が複雑に関係しています。日々の何気ない習慣が積み重なって、爪の変形を引き起こしているのです。巻き爪を予防し改善するには、これらの原因を総合的に見直すことが不可欠です。
靴は足に合ったものを選び、正しい歩き方を意識し、爪は適切な長さでスクエアカットを心がけましょう。すでに症状が進行している場合は、自己判断での処置は悪化の原因になることもあるため、専門家に相談することをお勧めします。
原因を正しく理解し、適切な対策を講じることで、快適な足の健康を取り戻すことができます。一つ一つの原因に向き合い、生活習慣を改善していくことが、巻き爪のない健やかな足への第一歩となるでしょう。


